C 海大7型潜水艦
昭和14年度通称C計画で海大型10隻の建造が決定され、一番艦伊号
第76潜水艦が昭和15年6月に起工され、昭和17年8月から18年10月迄
に伊号第176(建造中に伊76を改名)から185潜水艦の連番艦10隻が完成
した。
海大型の建造は昭和9年度計画で海大6型b(伊74型)が建造されて
以来久々のことであり、海大6型b(伊74型)の改良型とも言える本型
は海大7型(伊176型)と呼称された。
海大6型bと比べ、艦全体の性能には大した発展が見られないが、
操縦性の安定や急速潜航秒時の短縮などには著しい進歩が有り又船体
の広範囲に電気溶接が施され、量産を容易にしている。
主機には出力が若干低い、艦本式1号乙8型を採用したが速力の低
下は見られず、兵装面では13mm連装機銃に代わり25mm連装機銃を装備、
雷装は艦尾発射管を廃止、艦首のみ6門として本艦型より初めて新型
の95式無気泡発射管が、装備された。
此の時期、既に海大型と巡潜型の性能向上型である新型潜水艦、甲、
乙、丙型の建造が進行中であり、それに対し艦型的には旧式とも言う
べき海大型10隻もの多数が計画されたのは、なぜか疑問を持たれると
こであるが、しかし昭和14年頃は国際情勢の悪化と共に、日米間にも
不穏な感じが強まっており、早急に海軍力の整備を必要とした時期で
あり、手慣れた艦型の建造で早期完成を図ったものと思われる。
確かにB、C計画で新型潜水艦が建造中であるが、此の両計画では、
乙型が計20隻に対し魚雷戦を主とした丙型は5隻だけであり、魚雷攻
撃により漸減攻撃を目標としてきた潜水艦隊では、攻撃主流の潜水艦
をさらに早急に建造する必要があったのである。本来海大型は、水上
速力の増長を主眼として開発されてきたが6型bに於いても23ノット
に止まっており、新型艦の23.6ノットには及ばなかった。しかし建造
実績の豊富にある本艦型は丙型の隻数不足を急いで建造、整備するに
は絶好の艦型であったのだ。之れを裏ずけるように昭和16、17年にか
けて大量の丙型潜水艦が計画されていたが、海大型の継続艦はその後
の計画には上らなかった。此の事実から見て海大7型は、丙型の戦力
を急遽補おうとする目的のための艦型であったと見る事が出来る。
海大7型 (伊176型)
伊号第176 昭和17年8月4日竣工 昭和19年7月10日除籍 呉工廠で建造
伊号弟177 昭和17年12月28日竣工 昭和20年3月1日除籍 川崎重工で建造
伊号弟178 昭和17年12月26日竣工 昭和18年9月1日除籍 三菱神戸で建造
伊号弟179 昭和18年6月18日竣工 昭和19年4月15日除籍 川崎重工で建造
伊号弟180 昭和18年1月15日竣工 昭和19年7月10日除籍 横須賀工廠建造
伊号弟181 昭和18年5月24日竣工 昭和19年4月30日除籍 呉工廠で建造
伊号弟182 昭和18年5月10日竣工 昭和18年12月1日除籍 横須賀工廠建造
伊号弟183 昭和18年10月3日竣工 昭和19年8月10日除籍 川崎重工で建造
伊号弟184 昭和18年10月15日竣工 昭和19年8月10日除籍 横須賀工廠建造
伊号弟185 昭和18年9月23日竣工 昭和19年8月10日除籍 横須賀工廠建造
伊号第176は建造中の昭和17年5月20日、伊号76より改名。
海大7型潜水艦要目表
要目 海大7型(伊176型)の新造時を示す。
基準排水量 水上 1,630トン、 水中 2,602トン。
全長 105.50m、最大幅 8.25m、吃水 4.60m。
機関 艦本式1号乙8型ディーゼル機関2基2軸。
出力 水上 8,000馬力、 水中 1,800馬力。
速力 水上 23.1ノット、 水中 8.0ノット。
航続距離 水上 16ノットで8,000浬、水中5ノットで50浬
安全潜航深度 80m。 乗員 86名。
燃料塔載量 重油 355t。
兵装 45口径12cm単装砲1門、25mm連装機銃1基、
95式無気泡式53cm魚雷発射管(艦首) 6門
魚雷搭載数 12本。
射出機 なし 搭載機 なし。